iPhone には売上よりも重要なことがある

先日、アップルの CEO ティム・クック氏が 

CNBC のインタビューで、ここ四半期の業績低迷について尋ねられ、

市場の反応は大げさだと説明した後に、こんなことを応えています。


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しかし、最も我々が重要だと考えているのは、

ユーザーが我々の製品を愛してくれているか、

そして実際に使ってみて、飽くなき満足と忠誠心を抱いてくれているかどうかだ。


これこそが我々が真に重要だとみなしていることであり、

長い目でみてアップルにとって本当に重要なことなのだ。

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(出典 iPhone Mania 2016年5月4日「 アップルのティム・クック氏『売り上げよりも重要なことがある。それは…』」)


アップルのミッションを語っている。これは、ひとつの、

企業のブランドメッセージです。


昨年から、企業のブランドコピーを書く仕事を

いくつか、させていただいているのですが、


ブランディングって、
「ステキなイメージ」を「演出する」
ことだと思っている人が多く、


デザインをかっこ良くしたり、

ステキな言葉で飾ったりすることだと

思っている人がけっこういる。

(それも、もちろん大事ですが・・)


私も実はそんなイメージを持っていました。


この業界に入って、

さらに、ブランディングコンサルタントの方と

お仕事をご一緒するようになって、

その間違いに気がついた口です。


ブランディングっていうのは、

ステキなコートを上に羽織らせることではなくて、

「企業」や「その人」が

本質的に内在している良質なものを
表面に引き出して、外に見せてあげること。


ひとつの例として、

冒頭のティム・クック氏のセリフを記しました。

「 iPhone(アップル)には、売り上げよりも大事なものがある。それは・・ 」

これも、企業のブランドメッセージですね。


iPhone といえば、多くの人を魅了した

企業のブランドメッセージ

と思えるものがあるので、今日はそれを紹介します。


いまは亡きスティーブ・ジョブズ の iPhone発表時の プレゼン(2007年)です。

(日本語字幕つき)

舞台袖から現れたジョブズのこの一言で始まります。


「2年半の間、この日を待ち続けていた。」


「何年かに一度、すべてを変えてしまう新しい製品があらわれる。

それを一度でも世に送り出すことができれば幸運だと言えるが、

アップルは、何度もこのチャンスに恵まれた・・」


そして、アップル製品のヒストリーを語り始める。

このプレゼンの冒頭部分は、ブランドメッセージです。


日本人が話すとどうだろう、と思うけど、

文章なら、日本語でもまったく違和感なく「有り」ですね。


Apple製品は、機能や性能、便利さ目新しさ、だけじゃなく、

「すべてを変えてしまう」製品。


つまり、アップルは、

「世界を変えてしまう」新しい製品を、次々と世に送り出し続けている企業である。

と定義づけて見せているのです。


美しい表現力で。(←これも大事ですね)


Appleが多くのファンを獲得したのは、

製品そのものの魅力だけではありませんでした。

ジョブズの情熱的なメッセージが、人々を魅了してきました。


たった5分間のプレゼンの準備に、

数百時間を費やしたと言われるジョブズの、

渾身のブランドメッセージだと思います。

ライティング・コンサルタントの視点から

杉浦由佳  ライティング・コンサルタント。コピーライターとして独立して15年。書くための発想法、訴求力のある文章術などを中心に、仕事現場や日常のことなど、とりとめなく書いています。トレンド誌やビジネス誌のコラム広告のほか、企業のプロモーション支援・ブランディングに携わる一方、元ITエンジニアの杵柄で「情報セキュリティ」の連載記事なども執筆。「稼げるライターのためのライティング講座」 講師。

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