学園祭の季節です。
紅葉の絵に縁どられた手作りの看板が、
なんとも懐かしい気持にさせられますね。
今日は、深い縁あって、
とある中高一貫校の学園祭に行き、
演劇部の公演を観てきました。
上演したのは、「広くてすてきな宇宙じゃないか」。
アンドロイドのおばあちゃんと、派遣先の家族とのものがたり。
家族愛にまつわる思いの行き違いなどを描いた作品です。
これが、後半で、何回も泣けるのです。
泣けた理由は、
ストーリーを上手く演じていた、とか
そういうことだけでは、たぶんないです。
高校生たちの中には、
ぎょっとするくらい演技の上手な人も
いるのですけど、泣くほど感動したのは、
たぶん、それだけじゃない。
言ってしまえば、迫力勝ちでしょうか。
思いっきりぶつけてくる演技が、鬼気迫るというか、
若い子たちが、必死で作ってきた
全力でぶつかってくるような迫力。
これ、音楽やバレエにも感じることがあります。
世界に名だたるバレエ団や、オーケストラの公演は、
もちろん完成度が高く、
なんというか、針の糸を通すような
精度の高さゆえの感動があるのですが、
レベルの高い学生たちの団体では、
その演奏や、演技に、
鳥肌がたつような何かを
感じさせられることが、ままあります。
よく、プロの演技しか鑑賞しない、
プロの演奏しか聴かない、という人がいます。
求めているものが違うのだから、
それはそれで、いいと思いますが、
特別なこだわりがないなら、
学生がひとシーズンそれだけに没頭して、
全力で作り上げた作品も、鑑賞してみるといいと思います。
そのときにしか生まれない一瞬の何か、
そんなものを感じられるのではないかと思います。
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