完成度だけが、感動を生む要因ではないよね

学園祭の季節です。

紅葉の絵に縁どられた手作りの看板が、

なんとも懐かしい気持にさせられますね。


今日は、深い縁あって、

とある中高一貫校の学園祭に行き、

演劇部の公演を観てきました。


上演したのは、「広くてすてきな宇宙じゃないか」。

アンドロイドのおばあちゃんと、派遣先の家族とのものがたり。

家族愛にまつわる思いの行き違いなどを描いた作品です。


これが、後半で、何回も泣けるのです。

泣けた理由は、

ストーリーを上手く演じていた、とか

そういうことだけでは、たぶんないです。


高校生たちの中には、

ぎょっとするくらい演技の上手な人も

いるのですけど、泣くほど感動したのは、

たぶん、それだけじゃない。


言ってしまえば、迫力勝ちでしょうか。

思いっきりぶつけてくる演技が、鬼気迫るというか、

若い子たちが、必死で作ってきた

全力でぶつかってくるような迫力。


これ、音楽やバレエにも感じることがあります。

世界に名だたるバレエ団や、オーケストラの公演は、

もちろん完成度が高く、

なんというか、針の糸を通すような

精度の高さゆえの感動があるのですが、


レベルの高い学生たちの団体では、

その演奏や、演技に、

鳥肌がたつような何かを

感じさせられることが、ままあります。


よく、プロの演技しか鑑賞しない、

プロの演奏しか聴かない、という人がいます。

求めているものが違うのだから、

それはそれで、いいと思いますが、


特別なこだわりがないなら、

学生がひとシーズンそれだけに没頭して、

全力で作り上げた作品も、鑑賞してみるといいと思います。


そのときにしか生まれない一瞬の何か、

そんなものを感じられるのではないかと思います。

ライティング・コンサルタントの視点から

杉浦由佳  ライティング・コンサルタント。コピーライターとして独立して15年。書くための発想法、訴求力のある文章術などを中心に、仕事現場や日常のことなど、とりとめなく書いています。トレンド誌やビジネス誌のコラム広告のほか、企業のプロモーション支援・ブランディングに携わる一方、元ITエンジニアの杵柄で「情報セキュリティ」の連載記事なども執筆。「稼げるライターのためのライティング講座」 講師。

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