インタビュー記事は「テープ起こし」してから書く

きょうは、「テープ起こし」の話。


あるとき気がついた。

取材はメモだけじゃなくて、

録音音声をテープおこしすべきってこと。


私は、インタビュー取材しながらメモをとって、

そのメモをもとに記事を書いていくスタイルでした。


録音もしますが、それは、どうしても記憶が

曖昧なところだけを聞く保険のようなものでした。


「自分でテープ起こししてから、原稿作成に入る」

と言っているライターさんもいましたが、

一般に、10分のデータを起こすのに1時間かかる

と言われるテープ起こし。


1時間取材をしたら、そのままのテキストを

起こすだけで、6時間!?

〆切に間に合いません。


だいたい常に同時進行で10本くらいかかえているので、

取材とテープ起こしだけで、タイムアウトです。


なので、メモだけで書いていたのです。

外注するなんて発想は全然なく。


仕事が重なっていると、取材してから2週間後の

〆切前にメモを取り出して、記憶をたぐりながら書くことも。


それでも、なんとかなってはいたのですが。

あるとき、音声コンテンツの書籍化の編集を引き受け、

そのために、外部のテープ起こしの人を探したのです。


そこで、試しに自分の取材音声のテープ起こしをお願いしてみた。


納品されたテキストを見て、目からウロコ。

これは、使える!


要点を自分の言葉でメモしてはいるのですが、

現場のやりとりそのものは、やはり詳細さや臨場感が違う。


これをもとに原稿を書くと、

非常に楽でかつ臨場感が出しやすい。


せっかく、いろいろな情報を引き出しているのに、

メモだけだと、ずいぶん落ちてしまうのです。


外注費はかかるものの、質が上がって効率も良くなるなら

取り入れない手はなく。


それからは、取材後すぐにテープ起こしを依頼して、

あがってきてから、原稿を書くようになりました。


これまで372人の方にインタビューをしてきました。

お相手は、何かの専門家の方がほとんど。


全部テキスト化して残していたら、

いい情報ソースにもなっただろうな、と思います。


ライティング・コンサルタントの視点から

杉浦由佳  ライティング・コンサルタント。コピーライターとして独立して15年。書くための発想法、訴求力のある文章術などを中心に、仕事現場や日常のことなど、とりとめなく書いています。トレンド誌やビジネス誌のコラム広告のほか、企業のプロモーション支援・ブランディングに携わる一方、元ITエンジニアの杵柄で「情報セキュリティ」の連載記事なども執筆。「稼げるライターのためのライティング講座」 講師。

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